高齢者ドライバーによるアクセルとブレーキの踏み間違い防止対策は?
このブログ記事では高齢者ドライバーが安全に運転を続けるための「アクセルとブレーキの踏み間違い防止対策」について詳しく解説しています。
交通事故の中でも「高齢者ドライバーによるアクセルとブレーキの踏み間違い」は数多く見られ、ニュースでも報じられています。
特に混雑した交通状況や複雑な交差点での踏み間違いは、事故のリスクが高まります。
さらに高齢者ドライバーは視力や反応速度が低下していることから、このようなミスをする可能性が高くなります。
一緒に、安全な運転環境作りに取り組みましょう。
アクセルとブレーキの踏み間違い防ぐための具体的な対策
高齢者ドライバーによるアクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐためには、以下のような具体的な対策があります。
- 健康状態の維持
- ドライビングスキルの向上
- 安全装備の活用
- 運転の頻度を減らす
- 運転免許の自主返納
健康状態の維持
高齢者になると身体機能が衰えます。
高齢者ドライバーの健康状態の維持のために、定期的な体のメンテナンスやトレーニングを受けることが重要です。
視力や聴力などの運転に必要な能力を定期的にチェックし、維持することも求められます。
これにより視力や反応速度を維持することができます。
ドライビングスキルの向上
高齢者ドライバー自身が自分の運転能力について真摯に向き合い、運転技術を向上させることが重要です。
ドライビングスクールでの研修やシミュレータを利用したトレーニングで、アクセルとブレーキの正確な操作を身につけましょう。
また、反射神経や集中力を鍛えるための運動も有効です。
安全装備の活用
次に、車の安全装備の活用も必要です。
自動ブレーキシステムや、アクセルとブレーキのペダルの形状を変えるなどの改良により、踏み間違いを防ぐことが可能です。
最新の車には、高齢者ドライバーをサポートする機能が多く搭載されています。
運転の頻度を減らす
次に、運転の頻度を減らすことも有効な対策です。
公共交通機関の利用や、近距離の移動は徒歩や自転車を選択するなど、運転を必要としない生活スタイルを考えてみましょう。
運転免許の自主返納
最後に、運転免許の自主返納を考慮しましょう。
運転免許証の自主返納制度は1998年に始まっています。
福岡県で車が暴走して9人を死傷させた81歳のドライバーは、事故の原因となる病気はなかったそうですが免許の自主返納を検討していたそうです。
一度でも検討したのなら、後悔しないために少しでも早く自主返納しましょう。
運転免許を持たなければ無免許運転以外は事故を起こす可能性は0になるので、自主返納が一番いいと思います。
少しでも不安があれば自主返納しましょう
2018年11月に特別防犯対策監に委嘱された歌手で俳優の杉良太郎さん(当時74)が、2019年6月7日に東京・鮫洲運転免許試験場を訪れ運転免許を自主返納されました。
75歳以上の免許更新希望者には講習の受講義務があるので、8月の誕生日を前に返納され、代わりの身分証明書となる運転経歴証明書を受け取られました。
運転免許証の自主返納者数
警察庁発表によると、運転免許証を自主返納した75歳以上の方は、2018年の1年間で全国で292,089人と前年を38,152人も上まわりました。
2019年4月に起きた池袋の交通事故後には、さらに運転免許証を自主返納する人が増え都内では5月の運転免許自主返納者数が5,759件と過去最高を更新しました。
自主返納後の高齢者ドライバーの移動手段
上の画像の表を見ていただくと判るとおり、高齢者が自分で自動車等を運転して買い物にいく率は高いです。
身体能力の衰えを感じていても、食料品などの生活に絶対に必要なものは買いに行かなくてはならないでしょう。
都心に暮らしていれば交通網が発達しているので、免許がなくてもそれほど不便は感じないと思いますので免許証の自主返納ができます。
しかし、地方で運転免許証の自主返納をした場合には、高齢者の交通手段がなくなってしまうので、今まで運転免許を保有していた高齢者の、移動手段の支援の充実などの検討が必要です。
移動手段の支援の充実は、東京都だけではなく通院や買い物などの不便を解消するために、全国的に実施しなければならないでしょう。
私も運転免許証自主返納済
そういう私も、自動車の運転に不安を感じたので57歳の時に警察に行って、運転免許証を自主返納しました。
運転免許証を返納する時に申請して運転経歴証明書を貰いました。
運転経歴証明書は金融機関等で本人確認書類として用いることができると規定されています。
事故対策を社会全体で取り組もう
アクセルとブレーキの踏み間違い防止には個々の対策だけでなく、社会全体での取り組みが必要です。
- 高齢者向けの運転教育プログラム
- 車両の安全技術の普及と開発
- 運転免許証の強制返納義務化と運転年齢の上限
高齢者向けの運転教育プログラム
まず、高齢者向けの運転教育プログラムの充実が求められます。
高齢者が安全に運転できるように、ドライビングスクールや地域の公共施設で行わ有の課題を理解し、それに対応する運転技術を習得できるよう、具体的なカリキュラムの開発と実施が必要です。
車両の安全技術の普及と開発
次に、車両の安全技術の普及と開発が重要です。
自動ブレーキシステムなどの安全装備は、高齢者ドライバーの踏み間違いを補完する役割を果たします。
これらの技術の更なる進化と、それを一般のドライバーが手に入れられるような価格設定や補助制度の整備が望まれます。
これらの取り組みを通じて、高齢者ドライバーの安全運転を社会全体で支えることが必要です。
運転免許証の強制返納義務化と運転年齢の上限
アクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐ機器の導入、サポカーへの乗り換え、運転免許証の自主返納等で少しは事故が軽減されるかもしれません。
しかし、自主返納だけではいつ返納すべきかの基準がありません。
これは私からの提案です。
- 一定の年齢に達したら強制返納を義務化する
- 運転年齢の上限を設ける
などの仕組みを作ることが必要になります。
これにより事故のリスクを大幅に減らすことができます。
高齢者のアクセルとブレーキの踏み間違いの原因
高齢者ドライバーがアクセルとブレーキを踏み間違える原因は、主に身体的要因と環境的要因に分けられます。
- 身体的要因
- 環境的要因
身体的要因
高齢になると視力や聴力、筋力や反射能力が低下します。特に足元の感覚が鈍くなることで、アクセルとブレーキの感覚がつかみづらくなります。
また、認知機能の低下も踏み間違いの一因とされています。
適切な判断力や反応速度が求められる運転では、これらの体力や認知能力の低下が影響し、アクセルとブレーキの踏み間違いを引き起こします。
環境的要因
環境的要因としては、交通状況の混雑や道路構造の複雑さが挙げられます。
特に、交差点や車線変更など、複数の情報を同時に処理しなければならない場面では、高齢者ドライバーは混乱しやすくなります。
これにより、アクセルとブレーキの踏み間違いが生じる可能性が高まります。
高齢者ドライバーの免許保有者数と踏み間違い事故件数
高齢者の運転免許保有者数
令和元年(2019年)末現在の日本全体の運転免許保有者数は約8,216万人です。
そのうち65歳以上の運転免許保有者数は約1,885万人で、日本全体の運転免許保有者数の約22.9%が65歳以上の高齢者です。
65歳以上の高齢者の運転免許保有者が約22万人(1.2%)増加していますが、試算では今後も高齢者の運転免許保有者数は増えていく予想です。
高齢者の事故件数
65歳以上の高齢者による割合が高いのは、アクセルとブレーキの踏み間違いによる交通事故です。
警察庁の統計によると、2015年(平成27年)の日本国内でのブレーキとアクセルの踏み間違いによる死亡事故は58件、うち65歳以上の高齢ドライバーが50件でした。
内閣府の高齢運転者の交通事故の状況によると、高齢者ドライバーによるブレーキとアクセルの踏み違い事故は、75歳未満が全体の0.5%なのに対し75歳以上の高齢運転者は7.0%とかなり高くなっています。
高齢者は加齢に伴う身体機能の低下により、自動車運転においても動体視力や情報処理能力や一瞬の判断能力が低下し、運転に必要なハンドル操作やブレーキ操作が瞬時に行えません。
車を運転中に急に回避しなければならない状況に対応できなかったり、止まらなければいけない状況なのに、アクセルとブレーキを踏み間違えて更に加速してしまって事故を起こしてしまいます。
まとめ
高齢者ドライバーのアクセルとブレーキの踏み間違い防止には、
- 健康状態の維持
- ドライビングスキルの向上
- 安全装備の活用
- 運転の頻度を減らす
- 運転免許の自主返納
これらの対策により、高齢者ドライバーの安全運転が支えられます。
好きな時に好きな所に自由に行ける自動車はとても便利ですが鉄のかたまりなので、運転操作をひとつ間違えば危険な凶器になります。
交通事故により亡くなられた方々は未来がある人生を奪われてしまって、本人やご家族の方はどんなに無念なことでしょう。
高齢者ドライバーによるアクセルとブレーキの踏み間違いによる痛ましい自動車事故が1件でも少なくなることを願います。