優先席のメリットやデメリットはなんだろう?
電車やバスに必要?
疑問にお答えします
ほとんどの電車やバスには、優先席が設置されています。
次の疑問があると思います。
- メリットやデメリット
- 電車やバスの優先席は必要か?
次の問題点もあります。
- 優先席が空いているのに誰も座らない
- 明らかに見た目の不自由な人しか譲ってもらえない
電車やバスに乗る機会が多く、優先席について考えざるを得ない方は、この記事を読んでいただければ、何かヒントがあるかもしれません。
あくまで個人的な意見ですが、どうぞ最後までごらんください。
優先席のメリット・デメリット
優先席のメリット3つとデメリット4つをご紹介します。
優先席のメリット
優先席のメリットには次のようなことがあります。
- 優先的に座れたり席を譲ってもらえる仕組みが出来ている
- 高齢者などを思いやることができる
- 席を譲ったあとは気持ちがいい
優先的に座れたり席を譲ってもらえる仕組みが出来ている
優先席のメリットです。
優先席があることによって、高齢者・障害者・妊婦・乳幼児連れ・内部障害者・内臓疾患者などが、優先的に座れたり席を譲ってもらえる仕組みが出来ていることです。
優先席がないと、席に座ることができるのが早いもの勝ち(速いもの勝ち)になってしまいます。
優先席を必要としない人に占領されてしまいます。
優先席があっても席を譲らない人がいるので、優先席がなかったらなおさら譲らない人が出てくるでしょう。
高齢者などを思いやることができる
現代では、高齢者などの自分より弱者な人を思いやる機会は減っていると思います。
日常で高齢者を思いやろうと思っても、核家族が進んでいて近くに祖父母などの高齢者がいなかったりします。
電車やバスで、他人とはいえ高齢者などに席を譲ることで、人を思いやれる自分に気づくことができます。
自分一人で生きているのではなく、お互いに思いやっていたわりあって生きていることも再認識できます。
電車やバスに優先席を設けてあることで、高齢者などの席を必要としている人のことを思いやることができる状態が常にあることは、優先席のメリットです。
席を譲ったあとは気持ちがいい
自分が優先席に座っていたとしても、席を必要としている人に譲ってあげることで、単純に気持ちがいいというメリットがあります。
誰かのお役に立つことができることで、自分の承認欲求も満たされるでしょう。
優先席のデメリット
優先席のデメリットには次のようなことがあります。
- 優先席以外の席を譲らない
- 優先席に座ったら寝ることが出来ない
- 優先席に誰でも座れるのに座らない
- 見た目でわかる人のみが席を譲られる
優先席以外の席を譲らない
優先席が満席で、高齢者などが座れずに立っているときがあります。
優先席があるのだから座りたければ優先席に座ればいいということで、優先席以外の席を譲らなくなってしまったことはデメリットです。
優先席があることによって逆に、優先席以外は譲らなくてもいいんだという納得感を与えてしまっています。
一般席に座っていて、立っている高齢者などに席を譲っても「大丈夫です(私は席を譲られるほど年寄りじゃない)」と拒否されて断られてしまうこともあります。
譲ってみないとわからないので、めげずに席を譲りましょう。
優先席に座ったら寝ることが出来ない
優先席に高齢者以外の人が先に座っている場合、あとから高齢者などが乗車されてきたら席を譲らなければなりません。
ひどく疲れていて眠くて寝てしまったあとに、高齢者などが乗車してくることも当然あります。
高齢者などが立っていて、若くて元気な人が座っている構図になります。
周囲から見たら見た目が悪いし、寝たら譲れないので、寝ることが出来ないことは優先席のデメリットです。
優先席に誰でも座れるのに座らない
優先席は誰でも座ることができます。
自分が高齢者などでなくても座って大丈夫です。
高齢者などが乗車してきたらただちに席を譲ればいいのです。
乗ってこなければ自分の目的地まで席に座っていていいのです。
健康維持のために脚を鍛えようとして自発的に立っている人以外は、遠慮なく優先席に座りましょう。
ただ、優先席があることによって「譲らなければならないのならば、最初から座らないでおこう」という心理があります。
また「優先席には座るべきではない」という間違った心理もあります。
優先席に座りたくても座らないことは、混雑時には優先席のデメリットです。
見た目でわかる人のみが席を譲られる
義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方などは見た目にはわかりません。
そのためにヘルプマークが作成されました。
義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマークです。~中略~全道府県でヘルプマークは導入されています(令和3年10月31日現在)。ヘルプマーク本体は無償でお受け取りいただけます。お住いの道府県のホームページ等でお近くの受け取り場所等をご確認ください。
また、ハート・プラスマークのような障害者団体が独自に提唱しているマークもあります。
しかし、ヘルプマークを知っている人の割合は二人に一人にとどまっています。
ヘルプマークの認知度については、約半数が「知っている」と回答。
地域別では首都圏の認知度は55%に対して、その他の地域では認知度は38%
しかも障害のある人が必ずしもヘルプマークを活用・評価をしていないようです。
理由は以下のとおりです。
「利用する場所や機会がないから」(36%)の割合が最も高い(図表3②)。次に、「利用時の周囲の反応が気になるから」(30%)、「認知不足により役に立たないと思うから」(29%)という周囲の理解・認知にかかわる項目があがっている。また割合としては高くないが、「嫌がらせを受けたなどの噂を聞いたから」(14%)という回答もある。周囲の人の認知・理解の不足がヘルプマークの活用を妨げている場合もあると考えられる。
なので、高齢者・障害者・妊婦・乳幼児連れなどの見た目でわかる人のみが席を譲られることは、優先席のデメリットになります。
電車やバスの優先席は必要か
電車やバスの優先席は必要かという意見や、それに対する反論は多いと思います。
電車やバスなどの公共交通機関に乗っていて、自分が高齢者や不自由でないなら、率先して高齢者などに席を譲ることができれば、優先席は不要だと思います。
優先席が必要な理由は、高齢者などに席を譲る人が少ないからです。
なぜ席を譲る人が少ないかです。
日本人には、世間という周りの目が怖くて、目立った行動をしたくないという固有の特性があります。
日本人は、社会ではなく世間の同調圧力によって思考停止し、皆と違うことをするのが怖いのです。
そこで、優先席があることで、同調圧力があっても席を譲りやすくしています。
優先席があることで、席を必要としている人が、席に座りたい時に、座れる仕組みができています。
優先席はいつから?
優先席は、旧国鉄(現JR)の中央線快速と特別快速にシルバーシートという名前で、1973年9月15日(敬老の日)から本格的に運用されはじめました。
このシルバーシートの設置がきっかけになって、私鉄も導入しました。
現在のようにあらゆる車両に優先席が設置されるようになりました。
旧国鉄が最初にシルバーシートを作ったときから、優先席のメリット・デメリットはありました。
導入から今日まで約50年経過してもこの優先席の問題はなくなりません。
いったん優先席が設置されたあとでは、優先席を廃止することは難しいでしょう。
日本は諸外国と比較してもマナーやモラルの意識が高い国です。
大震災のときでも暴動は起きず、電車を列を作ってじっと待つような国民性があります。
しかし、優先席の問題はいつまでもなくなりません。
全席優先席にした地下鉄もありましたが、いっそのこと優先席を廃止して専用席にしてしまったらどうでしょうか?
専用席に座るためのパスポート的な顔写真付きの許可証を首から下げておけばいいでしょう。
それなら納得感があるように思えないでしょうか?
横浜市営地下鉄の優先席
全席優先席といえば「横浜市営地下鉄」でしょう。
横浜市営地下鉄は2003年12月からすべての人が席をゆずりあえる車内環境を作ることを目的に全席優先席にしました。
2007年に実施された「全席優先席に関する意識調査」の結果は以下のとおりです。
- 「全席優先席を認知している人」95.7%
- 「席を譲っているのを滅多にみたことがない。譲られたことはない」は38.6%
- 「譲っているのをたまに見る。譲られる」35.6%
全席優先席を継続することについては、以下の結果になりました。
- 賛成46.1%
- 反対53.9%
反対意見の人になぜ反対か聞いてみたところ、全席優先席になかなか実効性がないことが浮き彫りになりました。
- 「趣旨はいいが現実的ではない」(23.2%)
- 「エリア限定の優先席を設けたほうがいい」(32.1%)
それから8年後の2011年8月に行なった「全席優先席の今後について」のアンケートによれば、全席優先席を続けて欲しい旨の意見が過半数になりました。
- 「継続すべき」30.6%
- 「浸透させることに力を入れて継続すべき」27.1%
- 「他社と同じように一部優先席がいい」39.6%
それで「全席優先席を残しながらさらに優先度の高い座席を設定する」ということになりました。
しかし「絶対に席に座らなければならない人が先に座っている人に席を譲ってもらえていない」という理由で、2013年4月1日から全席優先席はなくなりました。
全席優先席の代わりに「ゆずりあいシート」ができました。
ゆずりあいシートの近くでは携帯電話の持ち込みが禁止されています。
他の席はマナーモードにするようにアナウンスされています。
ニューヨーク地下鉄の優先席
アメリカのニューヨーク地下鉄では、先に優先席に座っていた人が高齢者などに席をゆずらなかったときには、罰金50ドル(日本円で約7,800円)の罰金を科されてしまいます。
罰金がかかるようにすれば、座っていた人はしぶしぶにせよ席を譲ろうと思うし、譲りさえすれば罰金はかかりません。
アメリカには合理的な仕組みがあるものだと思います。
一度日本でも、ニューヨークの地下鉄のように高齢者などに優先席を譲らなかったら、罰金を科してみるのも有効かもしれません。
ニューヨークの地下鉄のように、自分以外の人に判断してもらったほうが割り切れるような気もします。
でも、いきなり7,800円の罰金を取られるのは痛いですね。
ならば罰金ではなくて交通違反のように点数及び反則金制にすればいいんでしょうか?
点数が加算されて一定の違反行為で免許停止=乗車禁止になるとしたら、会社や学校に行けなくなってしまいますね。
点数及び反則金制は現実的ではないですね。
日本でも罰金制にすれば、財布は痛いですが優先席が必要かどうかの議論はなくなって、気持ちのモヤモヤはなくなるかもしれませんね。
優先席のメリット・デメリット!電車やバスに必要?のまとめ
優先席のメリット
- 優先的に座れたり席を譲ってもらえる仕組みが出来ている
- 高齢者などを思いやることができる
- 席を譲ったあとは気持ちがいい
優先席のデメリット
- 優先席以外の席を譲らない
- 優先席に座ったら寝ることが出来ない
- 優先席に誰でも座れるのに座らない
- 見た目でわかる人のみが席を譲られる
優先席は電車やバスに必要?
公共交通に乗っているかぎり、席を譲ることに常に気を配っておくことが必要だと思いますが、席を譲らない人もいるので、優先席の仕組みは必要だと思います。
優先席はいつから?
1973年9月15日(敬老の日)からです。
横浜市営地下鉄とニューヨーク地下鉄の例をご紹介しました。
優先席にはメリット・デメリットがあります。
電車やバスは目的地に着くための手段だけではないでしょう。
乗っている間は思いやりの心をもって、譲る人も譲られる人も気持ちよく快適に過ごすことのできる空間にしたいですね。
優先席 – Wikipedia