
インポッシブルバーガー
インポッシブルバーガーという、人工肉をつかった商品がアメリカなどで食べられています。
インポッシブルバーガーを開発・製造しているインポッシブルフーズは、2035年までに世界中の動物の食肉を人工肉にすることを目標にしています。
この記事では「インポッシブルバーガーとは?遺伝子組み換えなどの安全性と環境問題は?日本には?」についてお届けします。
インポッシブルバーガーとは
インポッシブルバーガーとは、インポッシブルフーズが開発・製造をしている人工肉「ベジタリアン・ミート」(ベジミート)を使って作るハンバーガーです。
インポッシブルバーガー
Mind blowing Impossible Burger, @ImpossibleFoods. 🤯🍔 @dixiegrillhi pic.twitter.com/LmltpXtPOI
— Chris Erice (@ChrisErice) 2019年4月11日
We gave up meat once a week for environmental reasons so I had the @ImpossibleFoods Burger for the first time and, wow, I couldn’t believe it wasn’t real meat! It’s incredible what can be achieved at the intersection of food tech and business.
I’m definitely ordering it again! pic.twitter.com/gXFNFPk5Hs
— Kevin (@Kevin_L_Vargas) 2019年4月15日
インポッシブルバーガーは、アメリカと香港の1,000以上のレストランで提供されています。
さらに、インポッシブルバーガーは、カナダで2番目に大きな食料品小売業者「ソビーズ」の総店舗1500店舗のうち、600店舗でも取り扱われています。
インポッシブルバーガーを食べた人の感想は、「多少ぱさついている」そうですが「人工肉だと言われなければわからなかった」ということです。
インポッシブルバーガーの健康への安全性
インポッシブルフーズはインポッシブルバーガーを、動物性脂肪の摂取による健康面を気にする人に食べてもらえるように積極的に訴えています。
インポッシブルバーガーの健康への安全性は大丈夫なのでしょうか?
インポッシブルバーガーは遺伝子組み換えなのでしょうか?大豆イソフラボンの過剰摂取は大丈夫でしょうか?
- インポッシブルフーズ社製の人工肉は遺伝子組み換え
- 遺伝子組み換えの安全性
- 大豆イソフラボンの過剰摂取
- 飽和脂肪酸は心血管疾患のリスク
インポッシブルフーズ社製の人工肉は遺伝子組み換え
インポッシブルフーズ社製の人工肉の主成分は、大豆たんぱく質・ココナッツオイル・菜種油・ヒマワリ油・ジャガイモのたんぱく質などです。
パティの牛肉の赤身の見た目や味を再現するために、遺伝子組み換え技術で作られた「大豆ヘモグロビン」を配合しています。
大豆ヘモグロビンは、自然界では大豆の根に含まれますが、通常は大豆の根は食べません。
ましてや、遺伝子組み換えで作った大豆ヘモグロビンの安全性については、疑いがもたれるところです。
安全性に関しては、アメリカのFDA(食品医薬品局)が、インポッシブルフーズに、遺伝子組み換え技術で作られた「大豆ヘモグロビン」の「安全性に問題はない」との通知を出しました。
遺伝子組み換えの安全性
日本にも、大豆やとうもろこしなどの、さまざまな遺伝子組み換え作物が入ってきています。
消費者からは「危険かも」「危険か安全かわからない」「分からないので不安」という声が出ています。
食べてすぐにでも危険な食べ物だったら、許可は降りませんが、長い期間食べたとしたら、安全か危険かを解明しなければならないでしょう。
大豆イソフラボンの過剰摂取
大豆イソフラボンの過剰摂取は、
- ホルモンバランスの乱れ
- 下痢
- アレルギー症状
- 太る
などの症状が出ることがあります。
日本人は、様々な大豆製品を食べていますので、欧米人より大豆イソフラボンの摂取量が多いと言われています。
今までタンパク質の摂取を動物の肉でしていたところに、肉の代わりに大豆肉を食べるとなると、1日当たりの大豆イソフラボンの上限値を軽く超えてしまい、健康被害が出るかもしれません。
参考:
蒸し大豆は一日何粒まで?食べすぎると?ダイエットには? | まろやか情報局
脱炭素でも注目の「大豆ミート」の健康リスクとは | ニュース3面鏡 | ダイヤモンド・オンライン
飽和脂肪酸は心血管疾患のリスク
インポッシブルバーガーとビヨンドバーガーのカロリーなど
出典:Are plant-based meats actually healthier than meat? – CBS News
動物の食肉には、動物性脂肪の過剰摂取による健康被害や、腸管出血性大腸菌O157による食中毒などの危険性があります
一般的な牛赤身挽肉は、4オンス(113g)あたり283kcalで、飽和脂肪酸は6.7gで、インポッシブルフーズの人工肉は、4オンス(113g)あたり240kcalで、飽和脂肪酸を8g含んでいます。
飽和脂肪酸は、心血管疾患のリスクを高めるとされています。
インポッシブルフーズの人工肉は通常の肉よりも、飽和脂肪酸の量が多めに含まれていますので、植物由来の人工肉はそれほど健康にいいわけではないようです。
インポッシブルバーガーの環境問題
インポッシブルフーズはインポッシブルバーガーを、畜産による二酸化炭素排出量の多さによる環境問題などを気にしている人に食べてもらえるように積極的に訴えています。
地球規模の温暖化の問題でいえば、カナダの科学者のチームが発表したところによると(牛肉の)「ハンバーガーは温室効果ガス排出の「最強打者」である」という意見があります。
温室効果ガスの中で、一番問題とされるのが二酸化炭素(CO2)とメタン(CH4)で、どちらにも炭素が含まれます。
牛が排出するゲップや排泄物などで、二酸化炭素やメタンが発生して温室効果が高くなってしまいます。
牛を食べないで大豆ミートを食べることで、脱炭素化になりますが、一方、今後、大豆ミートが流行して、日本でも大豆の消費量が増えることに伴って、他国から大豆を輸入しなければならなくなります。
大豆輸出国が大豆生産を増大させるために、広大な森林を伐採することで、二酸化炭素の吸収が低くなって、地球温暖化に拍車がかかってしまいます。
そうなれば、牛のゲップや排泄物を減らすよりも温暖化が進んでしまいます。
参考:脱炭素でも注目の「大豆ミート」の健康リスクとは | ニュース3面鏡 | ダイヤモンド・オンライン
インポッシブルバーガーの日本での発売は?
インポッシブルフーズは、2035年までに世界中の動物の食肉を人工肉にすることを目標にしています。
インポッシブルフーズは、様々な国で企業との提携を加速していますが、まだ日本には上陸していません。
日本でも、インポッシブルバーガー以外に、購入することができる人工肉をつかった商品は増えていますので、人工肉が気になる方もおられるでしょう。
インポッシブルフーズの最近の海外提携
インポッシブルフーズは、2020年10月26日にカナダの主要スーパーマーケットチェーンの「ソビーズ」と提携しました。
ソビーズはカナダで2番目に大きな食料品小売業者です。
インポッシブルバーガーは、ソビーズの総店舗1500店舗のうち、600店舗で取り扱います。
さらにインポッシブルフーズは、インポッシブルビーフの販売において、シンガポールと香港で200店舗を有するスーパーマーケットと提携しました。
そして、中国本土市場への参入に向けて計画していますが、今は中国規制当局の承認を待っている状況です。
中国では以前に比べて肉食が増えたことで、生活習慣病になる人が増えています。
そんな中、健康志向の高まりから「ベジタリアン」や「ヴィーガン」になる人も増えています。
中国には「ベジタリアン」や「ヴィーガン」などの菜食主義者が人工の4~5%の5,000万人いるという推計があります。
中国国内で食糧安保問題が議論されるなか、インポッシブルフーズやビヨンドミートや中国発の代替肉会社が提供する植物肉への期待は、欧米よりも高くなっています。
中国は近い将来、世界各国の植物肉ブランドの激戦区として、世界最大の植物肉市場となるかもしれません。
日本には、いつ上陸してくるのでしょうか。
インポッシブルフーズとは
インポッシブルフーズとは、植物肉や代替肉とも言われる人工肉「ベジタリアン・ミート」(ベジミート)の製造・開発をしている企業です。
インポッシブルフーズは、アメリカ内ではトップ企業で、競合はビヨンド・ミートになります。
インポッシブルフーズは、人工肉を「ベジタリアン」や「ヴィーガン」向けに提供しているわけではないと言っています。
ちなみに「ベジタリアン」は、肉や魚などの動物性食品を食べませんし、「ヴィーガン」は、肉類に加え、卵・乳製品なども一切食べません。
インポッシブルフーズの概要
インポッシブルフーズの概要です。
- 本社所在地:アメリカ合衆国 カリフォルニア州レッドウッドシティ
- 設立 2011年
- 業種 食品
- 事業内容 人工肉の製造・開発
- 代表者 パトリック・ブラウン(CEO)デイビッド・リー(COO)
インポッシブルフーズは2035年までに、世界中の動物の食肉を人工肉にすることを目標にしています。
インポッシブルフーズにビル・ゲイツも出資
Bill Gates, Elon Musk and Mark Cuban quit these 3 bad habits before they became successful. Here’s how you can too. via @CNBCMakeIt https://t.co/EqX4e62ABy
— CNBC (@CNBC) 2019年4月6日
ビル・ゲイツはマイクロソフトの共同創業者であり、世界の長者番付に過去23年間に18回首位に立つ大富豪です。
ビル・ゲイツは小食ですが、ファストフードが大好きでマクドナルドでの食事を中心にしています。
分単位で働くビル・ゲイツは調理に時間がかからないファストフードで、食事を分単位で速くすませます。
そんなビル・ゲイツだからこそ、人工肉を製造・開発してハンバーガーとして売り出しているインポッシブルフーズの将来性を見越して出資しています。
2015年10月にビル・ゲイツやグーグル・ベンチャーズなどが出資し、さらにビル・ゲイツは2017年に追加出資しています。
インポッシブルフーズの開発商品
- インポッシブルワッパー
- インポッシブル・ナゲット
- インポッシブル ポーク
インポッシブルワッパー
インポッシブルワッパー
インポッシブルフーズはバーガーキングと提携しています。
2019年4月1日からアメリカミズーリ州セントルイスで動物由来の原材料を使っていないのに匂い・食感・味が牛肉にそっくりな人工肉をパティに採用したワッパー「インポッシブル ワッパー」を試験的に販売しています。
今回の試験販売が好評であれば、バーガーキングはアメリカ全店舗でインポッシブルワッパーを提供します。
インポッシブル・ナゲット

インポッシブルナゲット
インポッシブルフーズが製造した「インポッシブル・ナゲット」を、アメリカのバーガーキングが2021年10月11日から発売します。
販売する店は、アイオワ州デモイン、マサチューセッツ州ボストン、フロリダ州マイアミで、8個入りのナゲットを期間限定販売します。
インポッシブル ポーク
インポッシブルフーズは、豚挽肉のインポッシブル ポークも開発しました。
開発理由の一つは、アジア、特に中国における豚肉消費が増加しているためです。
開発者は豚肉版を作る時に、牛の赤身にはない脂身部分の食感や独特の風味の再現性に注力しました。
大豆レグヘモグロビンの成分「ヘム」が、肉らしさを生み出す重要な鍵になっているところは、牛でも豚でも変わりません。
牛肉風と豚肉風の異なるのは、主な栄養素となるアミノ酸・糖・脂質・ヘムの濃度のバランスです。
インポッシブル ポークの供給は、2020年後半から外食産業向けに始まっています。
まとめ
まとめます。
インポッシブルバーガーとは
インポッシブルバーガーとは、インポッシブルフーズが開発・製造をしている人工肉「ベジタリアン・ミート」(ベジミート)を使って作るハンバーガーです。
インポッシブルバーガー
インポッシブルバーガーを食べた人の感想は、「多少ぱさついている」そうですが「人工肉だと言われなければわからなかった」ということです。
インポッシブルバーガーの健康への安全性
インポッシブルフーズはインポッシブルバーガーを、動物性脂肪の摂取による健康面を気にする人に食べてもらえるように積極的に訴えています。インポッシブルバーガーの健康への安全性は大丈夫なのでしょうか?
インポッシブルフーズ社製の人工肉は遺伝子組み換え
パティの牛肉の赤身の見た目や味を再現するために、遺伝子組み換え技術で作られた「大豆ヘモグロビン」を配合しています。
アメリカのFDA(食品医薬品局)が、インポッシブルフーズに、遺伝子組み換え技術で作られた「大豆ヘモグロビン」の「安全性に問題はない」との通知を出しました。
遺伝子組み換えの安全性
消費者からは「危険かも」「危険か安全かわからない」「分からないので不安」という声が出ています。食べてすぐにでも危険な食べ物だったら、許可は降りませんが、長い期間食べたとしたら、安全か危険かを解明しなければならないでしょう。
大豆イソフラボンの過剰摂取
今までタンパク質の摂取を動物の肉でしていたところに、肉の代わりに大豆肉を食べるとなると、1日当たりの大豆イソフラボンの上限値を軽く超えてしまい、健康被害が出るかもしれません。
飽和脂肪酸は心血管疾患のリスク
インポッシブルフーズの人工肉は通常の肉よりも、飽和脂肪酸の量が多めに含まれていますので、植物由来の人工肉はそれほど健康にいいわけではないようです。
インポッシブルバーガーの環境問題
大豆輸出国が大豆生産を増大させるために、広大な森林を伐採することで、二酸化炭素の吸収が低くなって、地球温暖化に拍車がかかってしまいます。そうなれば、牛のゲップや排泄物を減らすよりも温暖化が進んでしまいます。
インポッシブルバーガーの日本での発売は?
インポッシブルフーズは、2035年までに世界中の動物の食肉を人工肉にすることを目標にしています。インポッシブルフーズは、様々な国で企業との提携を加速していますが、まだ日本には上陸していません。
インポッシブルフーズの最近の海外提携
カナダ・シンガポール・中国など各国で提携しています。
インポッシブルフーズとは
インポッシブルフーズとは、植物肉や代替肉とも言われる人工肉「ベジタリアン・ミート」(ベジミート)の製造・開発をしている企業です。
インポッシブルフーズの概要
- 本社所在地:アメリカ合衆国 カリフォルニア州レッドウッドシティ
- 設立 2011年
- 業種 食品
- 事業内容 人工肉の製造・開発
- 代表者 パトリック・ブラウン(CEO)デイビッド・リー(COO)
インポッシブルフーズにビル・ゲイツも出資
人工肉を製造・開発してハンバーガーとして売り出しているインポッシブルフーズの将来性を見越して出資しています。
2015年10月にビル・ゲイツやグーグル・ベンチャーズなどが出資し、さらにビル・ゲイツは2017年に追加出資しています。
インポッシブルフーズの開発商品
- インポッシブルワッパー
- インポッシブル・ナゲット
- インポッシブル ポーク
日本で健康長寿のご高齢のかたに、好きな食べ物を聞くと、お肉(動物性)とお答えになります。
健康的に長生きするためには、動物性だから悪いとか、植物性だから良いというものではないと思います。
食べ物も何事も、これじゃなければならないということではなく、極端にならずにバランスが大事なのではないかと思います。
以上です。
ありがとうございました。
関連記事:


