
捨てられる食品
食品ロスとは食べられるのに捨てられる食品のことです。
コンビニやスーパーマーケットなどでは賞味期限が切れて売れ残った食品が廃棄されます。恵方巻きなどは賞味期限が切れてなくて、まだ食べられるのに節分が過ぎたら捨てられます。
まだまだ食べられるのに廃棄されてしまう商品を減らすために食品ロス削減推進法が2019年5月24日に可決成立し2019年10月1日に施行されました。
食品ロスの実態と日本の食料自給率、世界の飢餓の状況、肥満と飢餓の矛盾についてご紹介いたします。
食品ロスの実態
2016年度には国内の食品ロス量は推計で1年間で約643万トンでした。毎日10トントラック1761台分もの食品ロスが出ています。
国民一人当たりに食品ロスを換算すると「お茶腕約1杯分(約139g)の食べもの」が毎日捨てられていることになるのです。もったいないですよね?
我々は食べられるものを捨てていますが世界では飢餓に苦しんでいて食べたくても食べられない人々がたくさんいます。
食べられなくて亡くなってしまう人も多いです。
日本の食料自給率
日本は食料輸入額に比べて輸出額が少なく世界1位の農産物の純輸入国になっています。カロリーベースでの食料自給率は38%しかありません。
自給率が低いということは食料を輸入に頼っているということになりますが輸入しているのに食品を廃棄しているのです。
平成28年の家計調査では食費が家計の消費支出の25%を占めています。食品ロスの約半分は家庭から出ています。そして廃棄物の処理に多額のコストがかかっています。
世界で飢餓に苦しむ人々
世界の人口は2015年時点で約72億人でどんどん増加しています。これに比例して世界の飢餓人口も増加しています。
2017年には8億2,100万人が飢餓状態で世界人口の約9人に1人になります。このうち1日に4~5万人の人々が飢餓で亡くなっています。そのうち7割以上が子供です。とてもかわいそうです。
飢餓が発生してしまう原因はいろいろ考えられますが、
- 異常気象による農作物の不作
- 穀物が投機の対象になっていて国境を越えて食料が取り引きされる
- 食べ物と資源の奪い合い
などです。
教育が普及していないことや不十分な収入も飢餓の原因にもなっているでしょう。ただこの問題は食品ロスとは別で考えなければならない問題です。
飢餓に苦しむ人がいるのは食料が充分に生産されないからではありません。世界で穀物は1年間で24億トン生産されています。この量は世界中の人たちが生きていくために食べる量の約2倍になります。
肥満と飢餓の矛盾
アメリカ・EU・日本などでは必要なカロリーより多く摂取していて逆にアフリカのエリトリアやコンゴなどでは必要最低摂取カロリーに足りていません。世界の中で食べ物が好きな時に手に入れられるのは約20%の人々だけです。
世界の成人の8人に1人が肥満になっていてアメリカが特に多くてアジアでも増えています。多くの国で栄養不足と肥満が共存しています。
日本でも肥満に悩みダイエットに関心のある人々が多い半面、食べ物が買えなくて廃棄する食品をもらって食べている人々が存在しています。とても矛盾を感じます。
まとめ
食品ロスの実態と日本の食料自給率、世界の飢餓の状況、肥満と飢餓の矛盾についてご紹介いたしました。
今後世界の食料は減っていく見込みです。異常気象や新興国での食肉の増加などが影響しています。
日本では約643万トンの食品ロスが発生しています。
「もったいない精神」を発揮して消費者だけではなく国、地方公共団体、食品関連事業者等の様々な関係者が連携して、この問題に取り組み様々な場面で食品ロスを削減していくことが求められます。
世界では飢餓の問題を含め様々な問題がありますが日本に住む我々は、そんな世界の事情にも目を向けつつも食品ロスに関することを自分たちに出来ることから少しずつでもいいから実践していきましょう。
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