- ひな祭りの本当の意味や由来は?
- ひな祭りに食べるものは何?
疑問にお答えします
ひな祭りは日本の伝統的な行事で、女の子の成長と幸せを祈るお祝いです。
しかし、ひな祭りの本当の意味や由来については、あまり知られていないかもしれません。
この記事では「ひな祭りの本当の意味と由来を解説!伝統的な食べ物も紹介」として、ひな祭りの起源や身代わり信仰、そしてひな祭りに欠かせない食べ物について、詳しく解説しています。
ひな祭りの本当の意味と由来
ひな祭りは、女の子が健康で元気に成長してくれることを願って行います。
年中行事である3月3日に行われる「ひなまつり」は、女の子が生まれてから一番初めに迎える初節句です。
ここで、ひな祭りのもとになっている起源や意味を歴史から学んでみましょう。
- 身代わり信仰
- 流し雛
- ひいなあそび
- 3月3日
身代わり信仰
いつの時代でも親は、子供が健やかに成長してくれることを心から願います。
しかし昔は、今と比べて幼い子どもの死亡率が高く、親の願いに反して生まれてまもなく亡くなる子供が多くいました。
- 感染症
- いまでは予防可能な疾患
- 栄養不良
などが昔の子供の死亡の主な原因でした。
大切な子供が病気や事故などで亡くならないように、子供の身代わりになってくれる「身代わり信仰」は、古(いにしえ)の昔からあります。
土偶・人面土器・人物埴輪など、人の形をした形代(かたしろ)で身体の悪いところを撫でたり息を吹きかけたりして、形代に穢(けがれ)を移します。
そして、身代わりとして川や海に流して、子供の健やかな成長を祈ります。
流し雛の形代は、水に流れるように木や草や紙などが使われていました。
ひな祭りの本当の意味や由来は、身代わり信仰から始まっています。
流し雛
続きまして「流し雛」の行事の解説をします。
平安時代に、子供の枕元に厄除けの身代わりの形代を置き、厄除けをしていました。
そして、1年間の災いを祓うために「上巳(じょうし)の節句」(穢れ払い)の3月3日に「流し雛」として川に流しました。
節句とは、古代中国の陰陽五行説を由来として日本に定着した季節の節目の日で、年中行事を行います。
流し雛は、子供が生まれてから健やかに育って欲しいと願う親が、女の子に限らず子供の身代わりに、形代を川や海に流して行います。
流し雛は今でも各地で行われていて、鳥取市用瀬町(もちがせちょう)が「流しびなの里」として知られています。
現代でも人間関係において、過去のトラブルをなかった事にして、新しく関係を始めることを「水に流す」といいます。
「水に流す」の語源は、形代を祓い清めて、川や海に流すことから来ています。
ひいなあそび
ひな祭りのもうひとつの流れは、女の子の「人形遊び」である「ひいなあそび」という平安貴族の子供の雅(みやび)な遊びごとから来ています。
「ひなあそび」ともいわれ、儀式ではなく遊びでした。
江戸時代には庶民にも広まっていた「ひいなあそび」が、さきほど「流し雛」にでてきた「上巳の節句」と結びついて全国に広がりました。
そして、ひな祭りとして雛人形が飾られるようになりました。
どんどんと雛人形を作る技術が上がって豪華になった雛人形を、川や海に流すわけにもいかなくなり、自宅に飾って鑑賞して楽しむようになりました。
ところで、娘の身代わりになって災厄を引き受けた雛人形が、ひな祭りの3月3日を過ぎても飾られていると、不幸に襲われるという解釈があります。
縁起を担いで婚期を逃さないためにも、ひな祭りが終わったらすぐに片付けましょう。
3月3日
ひな祭りは、江戸時代まで現在の4月頃、旧暦で3月3日の節句に行われていました。
明治になってからは、江戸時代のままの旧暦の3月3日に祝ったり、新暦の4月3日に祝ったりする地域が混在しましたが、一般的には新暦の3月3日に祝われはじめました。
ひな祭りが「桃の節句」と呼ばれるのは、旧暦の3月3日が桃の花が咲く時期だからです。
ちなみに、9月9日の「菊の節句」とも呼ばれる「重陽の節句」にも雛人形を飾る習慣があります。
ひな祭りに食べる伝統的な食べ物
ひな祭りには「ひなあられ」や「ひし餅」などを供えて「ちらし寿司」や「はまぐりのお吸い物」「白酒」などを飲食して御祝いします。
下記で詳しくご紹介します。
- ひなあられ
- ひし餅
- ちらし寿司
- はまぐりのお吸い物
- 白酒
ひなあられ
ひなあられが食べられ始められたのは、明治以降といわれています。
ひなあられに付けられる色には意味があり、
- 白色は雪
- 緑色は木々の芽
- 桃色は生命
を表しています。
関東と関西のひなあられは原料が違います。
関東のひなあられは、うるち米の乾飯や豆を炒って砂糖をかけて甘くしています。
三色の色をつける場合には、直接あられに付けるか、色の付いた砂糖をあられにかけます。
関西のひなあられは、もち米で、もともとはひし餅を砕いて炒ったのが始まりといわれています。
大きさは関東のひなあられより大きく、直径1センチぐらいの大きさがあります。
味付けは醤油や塩でしてあります。
最近の関東風では、米粒の大きさより大きなものや、大豆やピーナッツに甘いコーティングしたものがあるようです。
関西風では、チョコレート味やマヨネーズ味のひなあられが登場していて、バリエーションが増えて選ぶ楽しみも増えています。
ひし餅
ひし形は、魔除けになるといわれています。
ひし餅は、女の子が健康で元気に育つような願いを込めて飾られます。
ちらし寿司
ひな祭りでちらし寿司を食べる習慣のもとになるのは、平安時代に鮎や鮒で作られた「なれ寿司」を食べていたという説が有力とされています。
江戸時代になると、臭いと味が独特な「なれ寿司」の代わりに、ちらし寿司の原型といわれている、具を混ぜ込んだ「ばら寿司」を食べるようになりました。
その後、ばら寿司より「ちらし寿司」のほうが、
- 見た目が華やか
- 具材が縁起の良い
ので、ちらし寿司をひな祭りに食べる習慣が定着しました。
ちらし寿司の中に入れるおもな具の説明です。
エビ
ひな祭りだけではなく、おせちや結婚式などのお祝い事でも食べられるエビは、「曲がった腰と長いひげ」が、長生きの象徴として長寿の願いが込められています。
れんこん
れんこんには穴がいくつも空いていて、こちらから向こう側が見通せるので「将来の見通しが良い」という意味があります。
豆
「マメ」に働くので仕事が上手くいくことや「マメ」は「魔滅」に通じるので、邪気が払われて縁起が良いとされています。
はまぐりのお吸い物
はまぐりの貝殻は、一対になってピタリと噛み合いますが、他の貝殻とは合わない特性があります。
夫婦仲が良く、一生一人の人と添い遂げられるような願いが込められています。
白酒
桃の節供に桃の花をお酒に浮かべて飲むと、害を除き健康になるという言い伝えがあります。
白酒は白いので、甘酒のようですが甘酒とは違います。
甘酒はアルコールをほとんど含みませんが、白酒はアルコール分9%前後で酒税法ではリキュール類に分類されています。
大人は白酒、アルコールを飲めない子供は、甘酒を飲んで楽しみます。
まとめ
- ひな祭りの本当の意味や由来は?
- 身代わり信仰
身代わり信仰は、古の昔からあり、人々は土偶・人面土器・人物埴輪など人の形をした形代(かたしろ)で身体の悪いところを撫でたり息を吹きかけたりして、形代に穢(けがれ)を移して、身代わりとして川や海に流して子供の健やかな成長を祈ってきました。 - 流し雛
平安時代には子供の枕元に厄除けの身代わりの形代を置き厄除けをし、1年間の災いを祓うために「上巳の節句(穢れ払い)」の3月3日に「流し雛」として川に流しました。 - 3月3日
明治になってからは江戸時代のままの旧暦の3月3日に祝ったり、新暦の4月3日に祝ったりする地域もありますが、一般的には3月3日に祝われはじめました。ひな祭りが「桃の節句」と呼ばれるのは、旧暦の3月3日に桃の花が咲く時期であったためです。 - ひいなあそび
江戸時代になると、庶民の女の子の「人形遊び」として広まっていた「ひいなあそび」が、上巳の節句と結びついて全国に広がり、ひな祭りとして雛人形が飾られるようになりました。
- 身代わり信仰
- ひな祭りに食べるものは何?
- ひなあられ
ひなあられが食べられ始められたのは明治以降といわれています。ひなあられに付けられる白色は雪、緑色は木々の芽、桃色は生命を表しています。 - ひし餅
ひし形は魔除けになるといわれているので、女の子が健康で元気に育つような願いを込めて飾られます。 - ちらし寿司
「ちらし寿司」は見た目が華やか・具材が縁起の良いので、ちらし寿司をひな祭りに食べる習慣が定着しました。 - はまぐりのお吸い物
はまぐりは2枚貝なので対になっている貝とぴったり合い、他の貝とは合わないので夫婦仲が良く一生一人の人と添い遂げられるような願いが込められています。 - 白酒
桃の節供に桃の花をお酒に浮かべて飲むと、害を除き健康になるという言い伝えがあります。
- ひなあられ
3月3日には、ひな祭りの由来や雛人形の意味を思いつつ、お子様の健やかな成長をお祈りして、楽しく飲んで過ごしましょう。