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2019年4月に起きた池袋の交通事故後に、運転免許証を自主返納する人が増えました。
都内では5月の運転免許自主返納者数が5,759件と、過去最高を更新しました。
しかし運転中にアクセルとブレーキを踏み間違えて重大事故を起こしてしまう高齢者ドライバーのニュースはなくなりません。
事故に巻き込まれて罪もない幼い命が犠牲になっています。
高齢者の運転免許保有者数
2016年末の運転免許保有者数は約8,221万人で、その1年前と比較して約6万人増えています。
このうち75歳以上の運転免許保有者数は約513万人です。
これは75歳以上の3人に1人が免許を保有している計算です。
試算では今後も高齢者の運転免許保有者数は増えていく予想です。
交通死亡事故件数全体は減少傾向にありますが、逆に、75歳以上の運転者による死亡事故件数は横ばいで推移しているので割合にしたら増加しています。
今後、平均寿命が伸びて人生100年時代になれば、超高齢者の免許保有者数はさらに増えていくことでしょう。
高齢者の身体機能低下
高齢者は加齢に伴う身体機能の低下により、自動車運転においても、動体視力や情報処理能力や一瞬で判断しなければならない能力が低下することにより、運転に必要なハンドル操作やブレーキ操作が瞬時に行えなくなります。
車を運転中に急に回避しなければならない状況に対応できなかったり、止まらなければいけない状況なのにアクセルとブレーキを踏み間違えて更に加速してしまって車止めを越えて店鋪に突っ込んだりしています。
参考:高齢者を取りまく現状|平成29年交通安全白書(概要) – 内閣府
自分で運転すれば、好きな時に好きな所に自由に行けるので、車はとても便利な道具ですが、鉄のかたまりなので、運転操作をひとつ間違えれば危険な凶器になってしまいます。
交通事故により亡くなられた方はどんなに無念なことだったでしょう。
これから未来がある人生を奪ってしまうことになってしまった高齢者ドライバーも無念な気持ちでしょう。
高齢者事故対策
東京都は高齢運転者の事故が多発していることに考慮して、6月5日に緊急チームを作って対策を講じはじめました。
まず、一番は運転免許を持たなければ、無免許運転以外は事故を起こす可能性は0になるので、自主返納が一番いいのでしょう。
福岡県で車が暴走して9人を死傷させた81歳のドライバーは、事故の原因となる病気はなかったようですが、免許の自主返納を検討していたそうです。そう思ったら、少しでも早く自主返納することが必要だと思います。
ただ、高齢者の交通手段がなくなってしまった後の、移動手段の支援の充実などの検討が必要です。
自主返納の取り組みや移動手段の支援の充実は東京都だけではなくて、通院や買い物などの不便を解消するために全国的に実施しなければならないことだと思います。
自動車自体の安全性を高めることも必要で、東京都では、アクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐ機器の取り付けを行えば、補助金がもらえるようにするそうです。
アクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐ機器
補助金は、どの機器を付けた時に出るかは今は不明ですが、アクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐ機器には次のようなものがあります。
オートバックス
ペダルの見張り番
32,399円(取付工賃込+消費税込)
ペダルの見張り番|AUTOBACS.COM
ナルセ機材
ワンペダル
200,000円前後(税込)
ワンペダルとは|ワンペダルのナルセ機材有限会社
ナンキ工業株式会社
STOPペダル
99,800円(取付工賃別途+消費税別途)
STOPペダル製品のご案内 – STOPペダル 安全車両のご提案
などがあります。
安全運転サポート車
上記のような後付けの機器でも良いとは思いますが、政府が高齢運転者の事故防止対策として進めている「安全運転サポート車」いわゆる「サポカー」に乗ることも検討したら良いと思います。
サポカーには、「ぶつからない技術」「飛び出さない技術」「はみ出さない技術」「ヘッドライト自動切り替え技術」などが備わっています。
サポカーは各自動車メーカーから発売されていますし、サポカー試乗会もありますので、実際に試乗して安全性を確認してみることをおすすめします。
政府は高齢運転者の交通事故防止対策の一環として、 被害軽減(自動)ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置等を搭載した車(安全運転サポート車)に 「セーフティ・サポートカーS(サポカーS)」の愛称をつけ、被害軽減(自動)ブレーキを搭載した車 「セーフティ・サポートカー(サポカー)」とともに、官民連携で普及啓発に取り組んでいます。
出典:サポカー・サポカーS(安全運転サポート車)のWEBサイト
高齢者先進安全自動車購入費補助制度
東京都檜原村では高齢者の自動車事故を防止し、運行の安全の確保を図るため、補助が実施されています。
条件はあるものの、衝突被害軽減ブレーキ等を搭載した新車の車両本体価格の3分の1、最大で50万円を限度として補助が受けられます。
まとめ
私は57歳の時に運転に不安を感じたので、運転免許証を自主返納しました。
運転免許証を返納する時に申請して運転経歴証明書を貰いました。
運転経歴証明書は金融機関等で本人確認書類として用いることができると規定されているようです。
運転免許証の自主返納、アクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐ機器の導入、サポカーへの乗り換え等で少しは事故が軽減されるかもしれません。
しかし、自主返納だけではいつ返納すべきかの基準がないので、ある年齢に達したら強制返納する仕組みを作り、運転年齢の上限を設けることも必要かもしれません。
高齢者ドライバーによる痛ましい事故がこれ以上起きないように願います。
杉良太郎さんが2019年6月7日に運転免許を自主返納されました。昨年11月に特別防犯対策監に委嘱された歌手で俳優の杉良太郎さん(74)が、東京・鮫洲運転免許試験場を訪れ、運転免許を自主返納しました。75歳以上の免許更新希望者には講習の受講義務があり、8月の誕生日を前に返納され、代わりの身分証明書となる運転経歴証明書を受け取りました。
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