
プラごみ削減の企業の取り組み・プラごみ削減が必要な理由・できること

プラごみ削減の企業の取り組みを知りたい

17社の企業のプラごみ削減の取り組みをご紹介します
プラスチックごみ削減が急務となっている現代社会。企業もその取り組みに力を入れています。
プラスチックごみは環境破壊の原因となっており、海洋生物にも深刻な被害を与えています。
企業はその責任を認め、再利用やリサイクルなどの方法でプラスチックごみ削減に取り組んでいます。
この記事では、プラスチックごみ削減に取り組む企業の事例を紹介し、その必要性について考えます。
個人でも、エコバッグやマイボトルなどの使用、プラスチックごみの分別、減量などで簡単に貢献できます。
この記事を通じて、プラスチックごみ削減に対する意識を高め、実践的な方法を身につけましょう。
プラごみ削減の企業の取り組み
プラスチックは人間にとって便利なものとして、様々な用途で使われていますが、廃棄物・資源制約・海洋プラスチックごみ問題・地球温暖化などの様々な課題があります。
プラスチック製買物袋の有料化が、2020年7月1日から全国でスタートしましたが、プラごみを削減するためには、プラスチックの過剰な使用を抑制し、賢く利用しなければなりません。
日本で家庭から排出されるプラごみは84%回収されていて、回収されたプラごみのほぼ全てを2017年まで中国に輸出していました。
2018年の1月から中国が輸入しなくなったため、行くところがないプラごみが溢れてしまいました。
プラごみ削減の取り組みは、企業や個人で行われています。
以下で、17社の企業のプラごみ削減の取り組みをご紹介します。
マクドナルド
2018年9月から、イギリスとアイルランドで、計1,361店舗でプラスチック製ストローから紙製ストローへの移行をしています。
目標として、2025年までにプラスチックストローを、日本のマクドナルドを含む全世界の店舗で切り替えを検討すると発表しました。
すかいらーく
様々なお店を展開しているすかいらーくグループは、2018年12月から2020年までに順次、全業態の使い捨てプラスチック製ストローの使用を順次廃止するとしています。
提供するのは、タピオカ入りの飲み物を頼んだ時と、利用者から頼まれたときだけにするとしていましたが、ジョナサン、バーミヤンのタピオカドリンクにも、バイオマスストローTMを使用しています。
バイオマスストローTMは、すかいらーくグループが所有する商標です(商標登録出願済)。
参考:プレスリリース_190605_6月6日よりすかいらーくレストランツ全店で使い捨てプラスチック製ストローを廃止 | 2019年 | プレスリリース | すかいらーくグループ
アメリカ・ディズニーランド
2019年半ばまでに、全ディズニーランドで、プラスチックストロー・使い捨てマドラーを廃止し、年間1億7500万本以上のストロー・1300万本以上のマドラー使用を削減すると発表しています。
しかし、運営会社が異なるオリエンタルランドの、東京ディズニーリゾートには今の所適用されていません。
ホテルやクルーズ船のアメニティも、使い捨てではなく詰め替え式にすると発表しています。
参考:米ディズニーがプラスチック製ストローの廃止を発表 東京ディズニーリゾートは「対象外」とオリエンタルランド – ねとらぼ
スターバックス
プラスチックごみによる、環境への深刻な汚染の懸念が高まっていることに対応して、2020年までに世界28,000店舗で、飲むときに使うストローの廃止をします。
イギリス・ロンドン市内のスターバックス25店舗で、使い捨てカップ代金(5ペンス)の徴収を開始することを発表しました。
2018年2月からの3か月間は、試験的に導入し、顧客の反応を調査しました。
IKEA
店舗・レストランで、2020年までに使い捨てプラスチック製品7種類を廃止する計画を発表しました。
また、その他プラスチック製品のものは2030年までに一掃されます。
成田空港
グループ直営飲食店や、ラウンジで使用するストローを紙製に切り替えを始めました。
2019年内には、直営39店舗で使用するショッピングバッグを、エコ素材に100%切り替える予定です。
2020年2月までに、生分解性のあるショッピングバッグの素材や、強度についての検証を実施し、実用性の高いものから順次導入していく予定です。
また成田空港オリジナルのエコバッグを用意し、土産物としての販売を2020年4月までに導入し、プラスチック製ショッピングバッグの使用量削減につなげます。
JAL
日本航空の成田・羽田両空港の国際線ファーストクラスラウンジで、プラスチック特許成形技術を用いた幼児用耐熱性食器「iiwan(いいわん)」が採用されました。
iiwanは、土に埋めると微生物によって分解されるので、有害物質を出さずに処理できます。
マリオットホテル
世界6,500ヶ所以上の傘下のグループホテル全体で、2019年7月までにプラスチック製ストローを廃止すると発表しました。
要望がある場合は紙のストローを提供し、マドラーは木製にするとしています。
参考:マリオット、ハイアットが相次いでプラスチックストロー廃止 ホテル業界に普及なるか | 民泊・ホテルテックメディア Airstair
ハイアット
ハイアットは世界中のハイアットホテルから、プラスチック製のストローやドリンクピックを廃止することを発表しています。
2018年9月1日以降、環境に優しい代替品を使用し、プラスチック製使い捨てストローとドリンクピックは要望があるときのみ提供するとしています。
ユニリーバ
2025年までに、
・プラスチック・パッケージを100%再利用可能、リサイクル可能、堆肥化可能にすること
・使用するプラスチックの少なくとも25%を再生プラスチックに切り替えること
を発表しています。
参考:プラスチックへの取り組み | サステナビリティ | ユニリーバ・ジャパン
三井住友海上火災保険
三井住友海上火災保険は、本店とMS&ADインシュアランスグループHD本社の駿河台ビルの社員食堂等での、プラスチック製ストロー・カップを廃止し、紙製品に変えました。
カップのプラスティック製ふたは、順次紙製品に変えられます。
ボルボ
2018年5月18日に発表されたプレスリリースによると、2019年末までに全世界のオフィス・社員食堂・イベントでのプラスチック製品を廃止すると発表しています。
参考:環境意識の強さの現れ…ボルボは使い捨てプラスチック使用を2019年までにやめると発表 | ボルボ・カー香里園 | ネクステージのボルボ正規販売店
H&M
2018年12月5日からプラスチック袋を廃止し、小さな紙袋以外の袋を20円として販売し、海洋ごみに取り組む団体に寄付します。
マイバックの利用をお客さんに呼びかけ、2030年までに全製品の原材料をリサイクル素材または天然素材へ切り替えます。
良品計画
無印良品は、2019年4月に開店した世界旗艦店「無印良品 銀座」で、買い物袋を基本的に紙袋製にしました。
2019年度中に、全国の店舗で靴下やレギンスなど、商品を陳列する際に使われるプラスチック製のフックも紙製に置き換えます。
参考:無印良品が銀座の新店で「脱プラ」を本格化 買い物袋以外にアレも紙製に (1/2) – ITmedia ビジネスオンライン
ZARA
ZARAでは、紙袋とビニール袋どちらがいいかを聞かれていましたが、2019年以降は再生紙を利用した紙袋に統一されます。
ユニクロ
世界2,000店舗で包装材やレジ袋の見直しをしていて、すでに製品も試作段階で、安全性・安定性・消費者の反応を見て切り替え時期をきめるようです。
2020年までに、全世界のグループ全体で、店頭での使い捨てプラスチック包装を85%(約7800トン)の削減を目指しています。
参考:ユニクロがプラスチック製レジ袋を廃止へ。9月から環境配慮した紙製に順次切り替える | ハフポスト
プラごみ削減が必要な理由
プラごみのポイ捨て
プラスチック製品を使った後に、不要になったあとポイ捨てされて適切に処分されないプラスチックごみは、風や雨によって川から海に流れてしまいます。
環境省が、2016年に日本全国で漂着ごみを回収した量は、約3万トンに及び、その内訳はプラスチックごみがほとんどなのです。
プラスチックを餌と間違えて食べる
海に生きる生物たちは、海に漂流しているビニール袋等のプラスチックを餌と間違えて食べてしまいます。
2018年夏、日本の鎌倉で、死んだ子供のクジラが打ち上げられ、胃の中からプラスチックごみが出てきました。
2019年3月には、フィリピンの海岸でクジラが打ち上げられ、その死んだクジラを解剖してみると、胃の中から40キロものビニール袋が出てきています。
このような例が、世界各国から報告されています。
死んだクジラたちは、漂流するビニール袋を餌と間違えて食べてしまっています。
消化しないビニール袋がお腹の中にたまり、本来の魚などのエサを食べることが出来ずに、栄養失調の末、死に至ったと考えられています。
クジラだけでなく、海鳥やウミガメやイルカも、プラスチックごみを餌と間違えて食べてしまったり、体にプラスチック製の袋や網がからんでしまい、傷ついたり死んでいます。
マイクロプラスチック問題
また、プラスチックごみが小さくなった「マイクロプラスチック」を貝や魚が食べてしまうことも報告されています。
食物連鎖による生体濃縮により、その貝や魚を食べた大きな魚や、海鳥や人間の健康にも影響がでることが心配されています。
プラごみ削減のために私たちにできること
プラスチックもちゃんと分ければ資源ごみです。
我々の住んでいる日本では、社会の仕組みとしてプラスチックごみを、分別回収してリサイクルできる体制があります。
プラスチックの3R
プラスチックの3Rを推進し、プラスチックを上手に利用することで、海洋プラスチック問題等の解消のために、プラごみ削減を図っていけます。
プラスチックの3R
- Reduce(リデュース) ごみになるものを減らす
- Reuse(リユース) 繰り返し使う
- Recycle(リサイクル) 原材料として再生利用する
このプラスチックの3Rを、我々が出来ることに当てはめることで、プラごみ削減できます。
私たちにできること
- プラスチック製買い物袋の代わりにマイバックを利用する
- ペットボトルの飲み物を買う代わりにマイボトルを持つ
- プラスチック製使い捨てスプーンの代わりにマイスプーン・マイ箸を持つ
- プラスチック製容器包装をちゃんと分別して出す
まとめ
プラスチックごみ削減の企業の取り組み
17社の取り組みをご紹介しました。
プラごみの削減が必要な理由
クジラだけでなく海鳥やウミガメやイルカもプラスチックごみを餌と間違えて食べてしまったり、体にプラスティック製の袋や網がからんでしまい傷ついたり死んでしまう生き物が後を絶たないから。
プラスティックごみが小さくなった「マイクロプラスチック」を貝や魚が食べてしまうから。
食物連鎖による生体濃縮によりその貝や魚を食べた大きな魚や海鳥や人間の健康にも影響がでることが心配されているから。
海洋プラスチック問題で私たちにできること
・プラスチック製買い物袋の代わりにマイバックの利用
・ペットボトルの飲み物を買う代わりにマイボトルを持つ
・プラスチック製使い捨てスプーンの代わりにマイスプーン・マイ箸を持つ
・プラスチック製容器包装をちゃんと分別して出す
海洋プラスチックごみ問題による、プラスチックごみ削減の取り組みがニュースで取り上げられる以前から、気にしていた消費者は多いと思います。
スーパーに行った時には、マイバックを持参して、レジ袋を断る人を多くみかけました。
1人の力は小さくても、全ての人が同じように行動すれば、プラスチックごみは減るので、信念をもって「プラスチックの3R」を実行しましょう。