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インポッシブルバーガーについて:遺伝子組み換えや安全性、環境問題、日本での展開状況

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インポッシブルバーガー

インポッシブルバーガー

  • インポッシブルバーガーとは?
  • 遺伝子組み換えなどの安全性は?
  • 環境問題は?
  • 日本には?
かつ
かつ

疑問にお答えします

世界的に注目を集めているベジタリアンバーガーに、『インポッシブルバーガー』があります。

このバーガーは、肉の代替品として、植物由来のたんぱく質で作られています。

しかも、肉と同じようなジューシーな食感と、肉のような風味が楽しめるという特徴があります。

しかし、このバーガーが話題になる中で、遺伝子組み換えや安全性、環境問題などについての議論も起きています。

本記事では、そんなインポッシブルバーガーについて、詳しく解説していきます。

また、日本での展開状況についても紹介します。

インポッシブルバーガーとは

インポッシブルバーガーとは、インポッシブルフーズが開発・製造をしている人工肉「ベジタリアン・ミート」(ベジミート)を使って作るハンバーガーです。

インポッシブルバーガーを開発・製造しているインポッシブルフーズは、2035年までに世界中の動物の食肉を人工肉にすることを目標にしています。

以下の商品について解説します。

  • インポッシブル バーガー
  • インポッシブル ワッパー
  • インポッシブル ナゲット
  • インポッシブル ポーク

インポッシブル バーガー

インポッシブル バーガーは、アメリカと香港の1,000以上のレストランで提供されています。

カナダでは、2番目に大きな食料品小売業者「ソビーズ」の総店舗1500店舗のうち、600店舗で取り扱われています。

インポッシブル バーガーを食べた人の感想は、

  • 「多少ぱさついている」
  • 「人工肉だと言われなければわからなかった」

ということです。

インポッシブル ワッパー

インポッシブルワッパー

インポッシブルワッパー

Impossible WHOPPER | BURGER KING®

「インポッシブル ワッパー」は、動物由来の原材料を使っていないのに、匂い・食感・味が牛肉にそっくりな人工肉をパティに採用したワッパーです。

ワッパーとは並外れて大きなもの(something unusually large or otherwise extreme of its kind)という意味で、1712年ごろより使用されてきた英単語である。ワッパー – Wikipedia

インポッシブルフーズは、バーガーキングと提携しています。

バーガーキングは、2019年4月1日から、アメリカミズーリ州セントルイスで「インポッシブル ワッパー」を試験的に販売しました。

試験販売が好評であれば、バーガーキングはアメリカ全店舗でインポッシブル ワッパーを提供します。

2020年にバーガーキングで発売された「プラントベースワッパー」は、植物由来のパティを使用したハンバーガーで、日本でも販売されました。

このプラントベースワッパーに使用されている代替肉パティは、インポッシブルフーズのものではなく、オーストラリアの代替肉ベンチャーV2が開発したものであるとされています。

インポッシブル ナゲット

インポッシブルナゲット

インポッシブルナゲット

インポッシブルフーズが製造した「インポッシブル ナゲット」は、アメリカのバーガーキングが2021年10月11日から販売しています。

販売する店は、

  • アイオワ州デモイン
  • マサチューセッツ州ボストン
  • フロリダ州マイアミ

で、8個入りのナゲットを期間限定で販売しています。

インポッシブル ポーク

インポッシブルフーズは、豚挽肉のインポッシブル ポークも開発しました。

開発理由の一つは、アジア、特に中国における豚肉消費が増加しているためです。

開発者は豚肉版を作る時に、牛の赤身にはない脂身部分の食感や独特の風味の再現性に注力したそうです。

大豆レグヘモグロビンの成分「ヘム」が、肉らしさを生み出す重要な鍵になっているところは、牛でも豚でも変わりません。

牛肉風と豚肉風が異なるのは、主な栄養素となる、

  • アミノ酸
  • 脂質
  • ヘム

濃度のバランスです。

インポッシブル ポークの供給は、2020年後半から外食産業向けに始まっています。

インポッシブルフーズとは

  • インポッシブルフーズとは
  • インポッシブルフーズの概要
  • インポッシブルフーズにビル・ゲイツも出資
  • インポッシブルフーズの海外提携

インポッシブルフーズとは

インポッシブルフーズとは、植物肉や代替肉とも言われる人工肉「ベジタリアン・ミート」(ベジミート)を製造・開発をしている企業です。

インポッシブルフーズは、アメリカ内ではトップ企業で、競合はビヨンド・ミートです。

インポッシブルフーズは、人工肉を「ベジタリアン」や「ヴィーガン」向けに提供しているわけではないと言っています。

ちなみに「ベジタリアン」は、肉や魚などの動物性食品を食べませんし「ヴィーガン」は、肉類に加え、卵・乳製品なども一切食べません。

インポッシブルフーズの概要

インポッシブルフーズの概要は、

  • 本社所在地:アメリカ合衆国 カリフォルニア州レッドウッドシティ
  • 設立 2011年
  • 業種 食品
  • 事業内容 人工肉の製造・開発
  • 代表者 パトリック・ブラウン(CEO)デイビッド・リー(COO)

です。

インポッシブルフーズは、2035年までに、世界中の動物の食肉を人工肉にすることを目標にしています。

インポッシブルフーズにビル・ゲイツも出資

ビル・ゲイツは、マイクロソフトの共同創業者であり、世界の長者番付に過去23年間に18回首位に立つ大富豪です。

ビル・ゲイツは小食ですが、ファストフードが大好きで、マクドナルドでの食事を中心にしています。

分単位で働くビル・ゲイツは、調理に時間がかからないファストフードで、食事を分単位で速くすませます。

そんなビル・ゲイツだからこそ、人工肉を製造・開発してハンバーガーとして売り出しているインポッシブルフーズの将来性を見越して出資しています。

2015年10月にビル・ゲイツや、グーグル・ベンチャーズなどが出資し、さらにビル・ゲイツは2017年に追加出資しています。

インポッシブルフーズの海外提携

インポッシブルフーズは、2020年10月26日にカナダの主要スーパーマーケットチェーンの「ソビーズ」と提携しました。

ソビーズは、カナダで2番目に大きな食料品小売業者です。

インポッシブルバーガーは、ソビーズの総店舗1500店舗のうち、600店舗で取り扱います。

さらにインポッシブルフーズは、インポッシブルビーフの販売において、シンガポールと香港で、200店舗を有するスーパーマーケットと提携しました。

そして、中国本土市場への参入に向けて計画していますが、今は中国規制当局の承認を待っている状況です。

中国では、以前に比べて肉食が増えたことで、生活習慣病になる人が増えています。

そんな中、健康志向の高まりから「ベジタリアン」や「ヴィーガン」になる中国人も増えています。

中国には「ベジタリアン」や「ヴィーガン」などの菜食主義者が、人工の4~5%の約5,000万人いるという推計があります。

中国国内で食糧安保問題が議論されるなか、

  • インポッシブルフーズ
  • ビヨンドミート
  • 中国発の代替肉会社

が提供する植物肉への期待は、欧米よりも高くなっています。

中国は近い将来、世界各国の植物肉ブランドの激戦区として、世界最大の植物肉市場となるかもしれません。

遺伝子組み換えなどの安全性は?

インポッシブルフーズは、インポッシブルバーガーを、動物性脂肪の摂取による健康面を気にする人に食べてもらえるように積極的に訴えています。

そうはいっても、逆に、「人工肉」であるインポッシブルバーガーの健康面への安全性は大丈夫なのでしょうか?

インポッシブルバーガーは遺伝子組み換えなのでしょうか?

大豆イソフラボンの過剰摂取は大丈夫でしょうか?

飽和脂肪酸の心血管疾患リスクはどうでしょうか?

  • インポッシブルフーズ社製の人工肉は遺伝子組み換え
  • 遺伝子組み換えの安全性
  • 大豆イソフラボンの過剰摂取
  • 飽和脂肪酸は心血管疾患のリスク

インポッシブルフーズ社製の人工肉は遺伝子組み換え

インポッシブルフーズ社製の人工肉の主成分は、

  • 大豆タンパク質
  • ココナッツオイル
  • 菜種油
  • ヒマワリ油
  • ジャガイモ

などです。

パティの牛肉の赤身の見た目や味を再現するために、遺伝子組み換え技術で作られた「大豆ヘモグロビン」を配合しています。

大豆ヘモグロビンは、自然界では大豆の根に含まれますが、通常は大豆の根は食べません。

ましてや、遺伝子組み換えで作った大豆ヘモグロビンの安全性については、疑いがもたれるところです。

安全性に関しては、アメリカのFDA(食品医薬品局)が、インポッシブルフーズに、遺伝子組み換え技術で作られた「大豆ヘモグロビン」の「安全性に問題はない」との通知を出しています。

遺伝子組み換えの安全性

日本にも、大豆やとうもろこしなどの、さまざまな遺伝子組み換え作物が入ってきています。

消費者からは、

  • 「危険かも」
  • 「危険か安全かわからない」
  • 「分からないので不安」

という声が出ています。

食べてすぐにでも危険な食べ物だったら許可は降りませんが、長い期間食べたとしたら、安全か危険かを解明しなければならないでしょう。

大豆イソフラボンの過剰摂取

大豆イソフラボンの過剰摂取は、

  • ホルモンバランスの乱れ
  • 下痢
  • アレルギー症状
  • 太る

などの症状が出ることがあります。

日本人は、様々な大豆製品を食べているので、欧米人より大豆イソフラボンの摂取量が多いと言われています。

今までタンパク質の摂取を動物の肉でしていた人が、肉の代わりに大豆肉を食べるとなると、1日当たりの大豆イソフラボンの上限値を軽く超えてしまい、健康被害が出るかもしれません。

飽和脂肪酸は心血管疾患のリスク

インポッシブルバーガーとビヨンドバーガーのカロリーなど

インポッシブルバーガーとビヨンドバーガーのカロリーなど

出典:Are plant-based meats actually healthier than meat? – CBS News

動物の食肉には、

  • 動物性脂肪の過剰摂取による健康被害
  • 腸管出血性大腸菌O157による食中毒などの危険性

があります。

一般的な牛赤身挽肉は、4オンス(113g)あたり283kcal、飽和脂肪酸が6.7gです。

インポッシブルフーズの人工肉は、4オンス(113g)あたり240kcal、飽和脂肪酸を8g含んでいます。

飽和脂肪酸は、心血管疾患のリスクを高めるとされています。

インポッシブルフーズの人工肉は通常の肉よりも、飽和脂肪酸の量が多めに含まれているので、植物由来の人工肉はそれほど健康にいいわけではないようです。

インポッシブルバーガーの環境問題

インポッシブルフーズは、インポッシブルバーガーを、畜産による二酸化炭素排出量の多さによる環境問題などを気にしている人に食べてもらえるように積極的に訴えています。

地球規模の温暖化の問題でいえば、カナダの科学者のチームが発表したところによると、(牛肉の)「ハンバーガーは温室効果ガス排出の「最強打者」である」という意見があります。

温室効果ガスの中で、一番問題とされるのが、

  • 二酸化炭素(CO2)
  • メタン(CH4)

で、どちらにも炭素が含まれます。

牛が排出するゲップや排泄物などで、二酸化炭素やメタンが発生して、温室効果が高くなります。

牛を食べないで大豆ミートを食べることで脱炭素化になります。

一方、今後、大豆ミートが流行して、日本でも大豆の消費量が増えることに伴って、他国から大豆を輸入しなければならなくなります。

大豆輸出国が大豆生産を増大させるために、広大な森林を伐採することで二酸化炭素の吸収が低くなって、地球温暖化に拍車がかかってしまいます。

そうなれば、牛のゲップや排泄物を減らすよりも、温暖化が進んでしまいます。

参考:脱炭素でも注目の「大豆ミート」の健康リスクとは | ニュース3面鏡 | ダイヤモンド・オンライン

インポッシブルバーガーは日本には

日本でも、インポッシブルバーガー以外にも、購入することができる人工肉をつかった商品が増えています。

人工肉が気になる方もおられるでしょう。

インポッシブルフーズは、2035年までに世界中の動物の食肉を人工肉にすることを目標にしています。

インポッシブルフーズは、様々な国で企業との提携を加速していますが、日本にはまだ上陸していません。

2020年にバーガーキングで発売された「プラントベースワッパー」は、植物由来のパティを使用したハンバーガーで、日本でも販売されました。

このプラントベースワッパーに使用されている代替肉パティは、インポッシブルフーズのものではなく、オーストラリアの代替肉ベンチャーV2が開発したものであるとされています。

日本にインポッシブルバーガーは、いつ上陸してくるのでしょうか。

安全なら食べたいですが、そうでないなら私は食べたくないですね。

まとめ

最近では、植物由来のたんぱく質を使った代替肉製品が注目を集めていて、インポッシブルバーガーもその代表格の1つです。

インポッシブルバーガーは、植物由来のたんぱく質を主成分としたベジタリアンバーガーであり、肉と同じようなジューシーな食感と肉のような風味が楽しめるという特徴があります。

インポッシブルバーガーは、遺伝子組み換えの技術が使われていることや、添加物の使用などによる安全性への懸念が指摘されています。

インポッシブルバーガーは、植物由来のたんぱく質を使うことで、環境負荷を減らすことができるという利点があります。

ただし、生産におけるエネルギー消費や資源利用など、従来の食品生産と同様に環境問題を抱えています。

今後は、より環境に優しい生産方法を開発されることが期待されています。

現在、インポッシブルバーガーは、アメリカをはじめ世界各国で販売されていますが、日本ではまだ展開していません。

今後も、代替肉製品市場の拡大が予想されますが、消費者にとって安全性や環境負荷に関する情報がより詳細に開示されることが求められています。

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